プロジェクト名

協調作業支援/遠隔介護支援プロジェクト

メンバー

渡邊、杉野、丹羽、山添

キーワード

Computer Supported Cooperative Work (CSCW)、Groupware、協調作業、Web Synchronization、

目的

リアルタイムなコラボレーション、および、コミュニケーションの支援

概要

iPadやiPhone、Android OS搭載端末などを対象に多くのアプリケーションの開発が行われており。本研究室でもこれら端末を効果的に利用するようなシステムを模索している。 本プロジェクトでは、協調作業支援システムおよび遠隔介護支援システムの開発に取り組んでいる。 分散環境におけるリアルタイムな協調、および、コミュニケーションの支援を目的とした技術を開発し、その応用例として上記システムを開発している。

論文添削を協調作業の一つととらえ、知的な論文添削支援システムを開発している。論文添削では、執筆者と添削者が、論文の執筆、論文の添削、および論文の修正を繰り返し行う。大学における研究室では、複数の学生の論文添削を、一人の教員が行うことがあり、学生一人一人に対する添削の効率を向上することで、効果的な論文添削を行うことが出来る。 論文添削における問題として、添削内容が反映されていない箇所まで添削対象としてしまう問題、既に添削した箇所が正しく修正されているか確認が困難な場合がある問題、論文の完成度がどの程度かわからない問題に着目し、解決に取り組んでいる。 執筆・添削途中の差分情報に基づく進捗度を用いた論文執筆システムを開発した。 論文添削による差分や、添削指示を表現可能なUIを提供するWebアプリケーションとして実装した。これによって、添削内容が反映されていない箇所まで添削対象としてしまう問題、既に添削した箇所が正しく修正されているか確認が困難な場合がある問題の解決を目指した。 差分情報の蓄積具合により、どれくらい論文が添削されたかを進捗度として表現されており、論文がどれだけ完成しているかを判断する材料として提供されている。

iPadやiPhoneを用いた協調作業アプリにおいて、協調的に動作するデバイスを識別することは不可欠である.本プロジェクトでは特に、室内における数メートル程度の範囲内のデバイスを、協調的に動作させる技術を開発している。 協調動作の対象が未知の場合、協調動作の対象をアドホックに決定する必要がある。本プロジェクトでは、Bluetoothビーコンを用いて、協調動作の対象のデバイスを近づけるだけで協調動作させることが可能な手法を開発している。 協調作業のための準備を簡潔にできる点、協調作業を行うグループが複数存在する場合でも利用可能な点において優れる。

本プロジェクトでは,遠隔地の高齢者の介護のためのコミュニケーションの課題にも取り組んでいる。このようなコミュニケーションを支援するため、介護者と遠隔の高齢者の間で発生する非対称性に着目している。この非対称性は介護者と高齢者それぞれの通信環境や ICT 機器への慣れ等の差から生じている。本プロジェクトでは、この非対称性を考慮した遠隔介護支援システムを開発している。このシステムは高齢者による操作を一切必要とせず、介護者が遠隔からすべての機能を操作することができる。これは高齢者のストレスを軽減するためである。

遠隔地のユーザの様子を屋内測位によって見守る、遠隔介護のような場面においてデバイスフリーな測位は、遠隔介護支援の分野をはじめとして、遠隔地のユーザの様子を見守るために重要である。Bluetoothビーコンは既存のデバイスフリー測位用の機器と比較して、安価、省電力、設置が容易という利点があるため、カメラ機器などよりも柔軟な配置が可能である。本プロジェクトでは複数のBluetoothビーコンからの電波強度を利用して、被験者の位置を検出するデバイスフリー屋内測位機構を開発している。既存のフィンガープリント法式に基づく測位では、ユーザの負担となるキャリブレーションが課題である。キャリブレーションを自動化するために、測位データに対するクラスタリングにより、ユーザ識別のための閾値を定める.本プロジェクトでは、本手法の有効性を実験によって検証し、95%の精度でユーザの有無を検出可能であることを確認済みである。


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