プロジェクト名

協調作業支援

メンバー

岡井, 高田, 落合

キーワード

Computer Supported Cooperative Work (CSCW)、Groupware、協調作業、Web Synchronization、

目的

リアルタイムなコラボレーション、および、コミュニケーションの支援

概要

本研究室では、複数の人が協力し作業することで新たな価値を生み出す協調作業支援システムの開発に取り組んでいる。その応用例として、発想支援のための実世界型電子付箋システムMahoca、多くの人が協調的に楽曲を作成するための協調編曲作業システムおよび反転授業などで用いられる講義映像の解説音声の品質を生徒と教師の協調で向上させる講義映像ブラウザをあげる。 物理付箋と電子付箋を用いた発想支援のための実世界型電子付箋システムMahocaの開発を行っている。本システムを使用している各ユーザの画面上に、テキストや画像情報を表示する漂流型オブジェクトを用いた漂流型情報共有機構も開発した。漂流型オブジェクトは、各ユーザの画面間を漂うことで、情報の共有とコミュニケーションを支援し、ユーザ間のインタラクションを活発化させることが目的である。深層学習を始めとする機械学習APIを呼び出すためのメッセージ通信も開発した。これにより、機能の拡張性を高める。また本システムは、シングルウィンドウアプリケーションとして開発した。シングルウィンドウアプリケーションは、マルチウィンドウアプリケーションに比べメモリ使用量を抑えることができ、拡張性も高い。

多くの人が協調的に楽曲を作成するための協調編曲作業システムの開発を行っている。作曲された楽曲をバンド形体で演奏するためや、より完成度が高い楽曲にするために、編曲作業は行われる。全楽器のパートの編曲を個人で行うには、様々な楽器の知識が必要である。そのため、特定の楽器に偏った知識を持つユーザが集まったバンドでは、各楽器パートの演奏者が自分のパートの編曲を担当し、組み合わせて編曲をする協調編曲が行われる。音楽には感覚的な要素が多いため、協調編曲を行う際、曖昧な指示が多くなってしまい、ユーザ間の認識に齟齬が生じる。この問題を解決するために、同期型楽譜エディタの試作を行った。本システムはユーザ間で楽譜データを同期させ、共同編集ができ、編曲過程で行われるコミュニケーションを支援するためのものである。

講義映像の解説音声の品質を生徒と教師の協調で向上させる講義映像ブラウザの開発を行なっている。授業と宿題の役割を反転させる反転授業を取り入れる教育機関やオンラインによる講義サービスが増加している。これにより講義映像の需要が高まっており、講義映像における解説音声の自動修正技術が求められている。解説音声に対する生徒の要望や好みは多様であるため個人化することが望ましいが、それぞれの生徒に適した講義映像の作成はコストが高い。そこで、生徒自身が聴き取りやすいように解説音声を編集・視聴することが可能な新たな講義映像ブラウザを開発した。 さらに、講義改善のための情報として、生徒による講義映像の編集履歴・視聴履歴を、教師に提示する機能を実装した。


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