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intelligent decision support and learning support systems
  メンバ 服部宏充,松山学,山口翁央,山谷孝史
  キーワード Multiagent Systems, Argumentation/Negotiation, Reasoning under Uncertainty, Bayesian Network, Markov Decision Processes, Constraint Satisfaction Problems, Soar
  目的 動的に変化し,かつ不確実な情報が存在する環境で,ロバストかつ高度に知的に機能するマルチエージェントシステムの構築モデルと,ここでのエージェント の実時間制御技術を開発します.
  研究概要

コンピュータ,およびそれに付随する様々なソフトウェアが利用される環境が複雑さを増しています.本プロジェクトでは,情報環境が動的に変化し,かつ不確実な情報が混在する環境でロバストかつ高度に知的に機能するマルチエージェントの構築モデルと,ここでのエージェントの実時間制御技術の開発を試みます.ここでは,エージェント間の交渉・合意形成により,実時間内にサービスを提供する仕組みをいかに構築するかが問題となります.具体的には,以下の研究課題にアプローチします.

   (1)マルチエージェントにおける不確実性を含む大規模知識の実時間処理手法の開発知識における不確実性とは,例えば天気のように,値が確率的にしか定まらない事象と捉えることができます.本研究では,ベイジアンネット等,不確実性を含む知識/情報を表現可能な既存の技術を拡張利用し,確率的に値が変動する知識を表現します.ここでは,ここでは,確率的要素を効果的に処理するために,知識間の因果関係を効果的に活動できる知識処理モデルを開発します.

 (2)マルチエージェント間の相互作用モデルおよび実時間交渉方式の構築上記(1)の手法に基づくマルチエージェントシステムによる,不確実状況下での実時間内でのタスク実行の実現に向けて,既存の議論の論理の形式化に着目し,ここでの合意形成方式の応用に基づく新たなマルチエージェントの提携・交渉モデルを開発します.ここでは,知識間の因果関係に基づく,効果的な実時間交渉方式の実現を試みます.具体的には,グラフ表現された知識から確率的に最適な解を生成するアルゴリズムの開発,および効率的な合意形成機構の実装を行います.

 (3)アドホックネットワークに基づく大規模情報共有システムの開発上記(2)までの研究成果を背景に,本研究アプローチの有用性を実証するために,ユビキタス環境の基盤となるアドホックネットワークに基づく大規模情報共有システムを開発します.アドホックネットワーク上で携帯端末や携帯電話を持つユーザが,リアルタイムに情報を提供しながらコミュニケーションするためのマルチエージェントシステムを構築します.ここでは,本研究の提案技術を応用し,情報環境が動的に変化し,かつ不確実な情報が混在する環境における,情報提供の手間の軽減手法,情報送信のための知的なルーティング手法等を設計・開発します.

インターネットのようなオープンな環境で動作するエージェントは,様々な不確定要素を考慮する必要があります.既存のマルチエージェントシステムでは,事前に定められた協調プロトコルに厳密に従って他のエージェントと協調することが求められますが,高度に分散化したシステムの構築において,全てのエージェントに厳密な協調性を要求する事は困難です.また,環境の動的変化が生じ得るユビキタス環境においては,協調プロトコルを事前に設計すること自体,困難となります.本研究の特色は,このようなネットワーク環境において,アドホックに協調しつつも効率的にタスクを実行可能な新たなマルチエージェント制御手法を提案し,環境の不確実性に対してロバストなマルチエージェントの構築技術の実現を目指す点にあります.


新谷研究室 2004