PowerPoint を利用した モーションセンサに基づく スライドオブジェクト操作環境の実現
塚本正太

アブストラクト

本研究では,スライドショー中のスライドオブジェクトを,ユーザの両手のジェ スチャ入力により操作可能なプレゼンテーション操作環境の実装を行った.スラ イドの構成要素である図形やテキストボックス,画像など(スライドオブジェク ト)に対して,拡大・縮小や移動などの操作をプレゼンテーション中に即時的に加 えることができる.スライドオブジェクト操作により,発表者がアニメーション を作成する時間の削減を行える.また,即時的にスライドオブジェクトに動きを 与えることができる.聴講者の質問に合わせたスライドオブジェクトの動きと説 明を提示することは,聴講者のプレゼンテーションに対する理解を深める. 本研究では入力デバイスとして,Leap Motion 利用した.Leap Motion はかざし た手の骨格情報や座標情報などを,高い精度で取得可能なモーションセンサであ る.Leap Motion の利用により,スライドオブジェクト操作が両手のジェスチャ入 力で可能なものとなる.キーボードとマウスによる入力では,煩雑な操作が必要 となるスライドオブジェクト操作を,Leap Motion は単純かつ直感的なジェスチャ 入力で可能にし,ユーザの負担を軽減する.また,キーボードとマウスによる入 力では困難な,複数箇所を同時にポインティングするという操作も両手をかざす だけで行える.Leap Motion により取得した手・指の骨格情報を利用し,発表者の 手の動きと同期する手の 3D モデルの表示を行った.発表者は手のジェスチャを通 して聴講者に情報を伝えられるとともに,手の 3D モデルでスライドオブジェクト を掴む,引っ張るといった,より直感的な操作が可能になる.また,Leap Motion が認識している手のジェスチャと実際にユーザがかざしている手のジェスチャと の間の齟齬をユーザが理解可能になるため,ユーザの誤操作を減らすことが可能 である. 本論文では,実装したプレゼンテーション操作環境について,既存の関連研究 と比較する.また,本プレゼンテーション環境の実装方法と評価・考察について述 べる.本プレゼンテーション環境により,発表者が聴講者の質問や要望など,さま ざまなコンテキストに合わせたプレゼンテーションを提供することが可能になる.