ソーシャルメディアを用いた イベント情報分析支援システム
大部達也

アブストラクト

大学祭のような不特定かつ多数の人々が参加するイベントでは,参加する人々 が関心を持つ対象がそれぞれ異なる.このようなイベントではしばしば,参加者 がイベント運営に加わったり,運営側の人間も一参加者としてイベントに参加す るという場合がある.そのため,イベント参加者と運営者の境界は明確ではなく, イベントに関わる人々は参加者として,運営者として,またはその両方として,他 のイベント参加者,運営者のイベントに対する評判,要望,苦情といった意見 (以 下,評判情報とする) を求めている.例えば,イベント参加者としては,自分がこ れから参加する場合,今後参加する場合,また友人に勧めたり誘う場合の参考と して評判情報が必要になる.また,運営者としては,次回以降の運営の改善のた めに評判情報が必要となる.このようなイベントでは,参加者により多くの情報 がソーシャルメディアを通じて発信され,イベント内の様々な対象に関する情報 が飛び交う.この時,イベント全体について情報をまとめる人がいても,個々の 店やショーについての情報についてはまとめる人がいない場合がある.また,イ ベント自体の規模がそれほど大きくない場合はイベント全体について情報をまと める人がいない場合もある.そのため,イベントに対する評判や要望の分析を支 援するためのシステムの実現が要望されている. そのためには,イベントに関する情報の収集,収集した情報の処理,処理した 情報の可視化およびそれらを表示するためのインターフェースが必要である.本 研究では Twitter を利用してイベントに関する情報の収集を行い,収集した情報の 分析を支援するシステムを実装した.本システムでは,イベントに関する評判を 整理するために,収集したツイートに対して感情極性分析を行う.感情極性分析 の結果を利用して,地図とグラフによりイベント情報の可視化を行う.本システ ムでは,可視化した結果を自由に比較可能なインターフェイスにより,ユーザに よる探索的なイベント情報の分析を支援する.本研究では,感情極性分析の際に 使用する文の特徴ベクトルのモデルや分類器を変化させた場合の分類の正解率の 変化を検証した.また,人手でラベル付けを行ったツイートを本システムにより 実際に分類した結果について実験と評価を行った.